立見忠弘のページ


『噂の真相』1月号、「読者の広場」より。

12月号本多勝一批判へ
 十二月号、本多勝一さん批判にひとこと申し上げます。結論からいえば、本多さんも投稿された方も、「百名山最短記録」を登山や冒険の話題として取り上げるべきではありません。本多さんが批判する某登山家は、写真週刊誌「FOCUS」九月四日号によれば、「重廣恒夫さん、スポーツ用品メーカー営業担当社員」。また百名山、百二十三日登山は「スポーツウエアーの販促イベントとして企画したもの。登山中(出張扱い)は、他の登山者に自社製品のアンケート葉書配りや、パソコンに登山記録を書き込み、デジタルカメラで撮った写真と共に、携帯電話で本社に送信。もし怪我をすれば労災扱い」と、あります。これではマラソンでも、TV局二四時間マラソンテレビ並のシロモノ。それでも元冒険家の重廣さんのエライというかスゴイところは、世の登山家からヒンシュクモンの「百名山詣で」を、恥も外聞も無く「営業活動」にしたことです。重廣さんの記録(業績)は賞賛されこそすれ問題はありません。むしろ問題はその報道のされかたです。NHKをふくむ報道数社が、毎度のことながら、その舞台裏を知りながら、企業パブリシテイを「感動的美談」に仕立てて協力したことです。またその報道を鵜呑みしたふりえをして、企画イベントマンである重廣さんの業務を、持論の「冒険的精神」で方向違いの批判をする本多さんの体質も問題です。「百名山早回り記録」が、ただの販促イベントでは、折角の「冒険的精神」など開陳する余地はないから、あえて舞台裏を無視したのでしょう。元日本有数のジャーナリスト本多勝一記者が、なんのウラも取らずに批判記事を書くなど、ありえないことです。とはいえ、FOCUS一誌だけの情報でここまで言い切る私にも問題はありますが。
(相模国足柄在 はんべんごろ)